りゅうたま 能力値システムの特性とそれが表現するもの


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りゅうたまに関する記事ではキャラクタープレイの面の良さをかなり強調してきたが、それだけのゲームだとは思わない。これからゲーム的な側面からもルールを読み込んで、りゅうたまの全体像を見ていこう。

まず最初に取り組まなければならないのは、近年のTRPGでは珍しい、D6以外のダイスを使う能力値システムだろう。2D6がどういう動きをするのかは経験的に良く分かっている、という人が多いだろうが、D6とD10を混ぜたらどうなる?というのはなかなか読みにくい部分があるのではないだろうか。少なくとも私はそうだった。


そこで、簡単に計算して、グラフにしてみた。りゅうたまの判定では、ほとんどの場合二つの能力値の組合せ(まれに一つの能力値を2回)使う。そこで、D4、D6、D8、D10から2つ選んで組み合わせて振った場合に、合計値がどのような確率で出てくるかをグラフにしてみた。

これを見ると、幾つか面白いことが分かる。

●能力値が上がる(=使用するダイスの面数が多くなる)にしたがって出目の期待値も上がっていくが、逆にばらつきが大きくなる。

見ていただくと、当たり前の話だが確かに2D4よりも2D10の方が高い目が出やすそうだ。ただ、ダイスの面数が多くなると、グラフの山が低くなり、目の分布が薄く広く広がっていくことが分かる。

また、異なった種類のダイスを組み合わせた場合、一番多く出る目のパターンが複数になり、中央付近でグラフが平らになるということも分かるだろう。

●能力値が上がっても、低い達成値が出る。

2D6の期待値は7。そして2D10の期待値は11となる。ただ、これは2D6+4とは大きく違う。最近のシステムでは、判定に使う乱数の幅は固定して、修正値という形でキャラクターの能力やスキルの差を反映させるものが多い。このタイプのシステムだと、適性のあるキャラクターは、低い目標値ではファンブルしない限り失敗しないということが普通だ。

例えば、目標値6を考えてみよう。修正値無しのキャラクターが2D6を振れば、42%の確率で失敗する。しかし、修正値が+4あれば、ファンブル以外は失敗しない。つまり失敗の確率は3%だ。ところが2D10の場合、15%の確率で普通に失敗になる。

能力値が上がりダイスの面数が多くなれば当然期待値も上がり成功の確率も上がるが、失敗の確率は修正値を使うダイス固定システムと比べてあまり下がらない、ということを覚えておくといいかもしれない。乱数の幅が大きいので、普通に判定すると運に左右される部分が大きいと言うことだ。

●確実に成功するためには、能力値を上げるだけではなく、修正値をどうやって得るかが重要。

能力値が上がれば成功しやすくなるが、失敗の確率は思ったより減らない。確実度を高める為には、修正値を積み上げていく必要がある。修正値1、2というと余り大きく聞こえないかもしれないが、各ダイスの組合せで出目の平均値に近いところでは、1違うと10%、15%と違ってくる。2違えばどのような目標値でも10%近くの違いが出る。

修正値を得るには、主に以下の方法がある。

  • 各種地形・気候対策の装備品
  • 集中を使う
  • 修正値を与える魔法(アローコンパス、アラートベルアラートなど)
  • ミンストレルの音楽
  • 各クラスのスキル

経験を積み能力のある旅人でも、油断して軽装で出かけると思わぬ失敗をする。能力値ごとに異なったダイスを使うりゅうたまでは、このあたりが上手く表現されていると言える。気候・地形対策を怠らないよう、サイズの上限や予算と相談しながら旅装備を揃えよう。

集中や1ゼロポイントは失敗を減らすのに有効だ。テクニックタイプは集中のボーナスが2点になるので、重要な判定が多いキャラクターはテクニックタイプを考えるのも良いだろう。

アローコンパス、アラートベルアラートも地味だがしっかり効いているので、軽視しないようにしておきたい。

ミンストレルの音楽は、修正値1と余り強そうに聞こえないが、これでも地味に利いてくる。HP1で使えるのであれば、積極的に使っていこう。その他各クラスのスキルが与える修正値(例えばヒーラーのヒーリングハーブによる修正など)もばかにならない。

能力値と失敗の確率の関係に注目すると、りゅうたまのユニークな側面が際立ってくる。単に雰囲気が良く旅に注目したTRPGというだけでなく、適切な準備や集中して望むことの重要性を、上手く表現している(そしてそういうことの重要性がある意味目立ちにくいということも上手く表現している)と言える。シンプルさが強調されがちかとは思うが、その中でりゅうたまはゲーム的にも個性的で良く考えられたシステムだと言えると思う。

次回はりゅうたまでの役割分担と最適化について考えてみたい。

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