Characters, Emotion & Viewpointから学ぶキャラクターの確立と表現


やっとキャラクターと感情の章が読み終わりましたので、この本から学んだことをもとに、どうやってTRPGのキャラクターを物語の中の登場人物として確立していくか、そしてどうやってそれを表現したら良いかについて書こうと思います。Plot & Structureで書いたことは基本的にGM向けでしたが、今回の記事はプレイヤーにも参考になるかと思います。


個性的な登場人物を作り、それを表現する為には、下記の3つのポイントがあります。

    * 細かい部分に登場人物の個性を反映させる
    * 複雑な感情を持たせ、それを適切に表現する
    * 説明的にならない、奇抜にしない、非現実的にしない

3つのポイントについて話をする前に、全体的な話をまずしておこうと思います。一番大事なのは、個性的なキャラクターというのは、話が始まる前の準備ももちろん重要ですが、話が展開するなかで表現されることも同じくらい重要だということです。というのは、キャラクターの個性というのは、セッションの開始時に全て説明し印象づけられるものではなく、セッションの中の個々のエピソードを通じて、徐々に確立していくものだからです。

もう一つは、個性的なキャラクターというのは、奇抜なキャラクターとは別だということです。私たちは、周囲にいる人間をそれぞれ個性的な人として見ていると思います。でも、その中に奇抜な人というのはほとんどいないはずです。物語の登場人物の個性は、奇抜にならない範囲で、ユニークだけどもっともらしい人物を作り、それを適切に表現するところから生まれてくるのです。

さて、最初のポイントに移りましょう。人の印象や個性は細かいところからも形成されます。キャラクターの設定と一貫した細かい表現ができれば、個性を印象づけることができると思います。

キャラクターの名前は、個性の反映ではありませんが、性格や家庭環境などを聞く人に印象づけます。小説の場合は、実在の歴史的な名前の変遷や、文化、環境に基づいた名前の付け方が必要ですが、TRPGの場合は、そのような印象を与えられれば、必ずしも歴史的に正確である必要は無いと思います。

外見や装備品も個性の表現として使えます。例えば、服の種類や状態(しわだらけだったり、きれいに洗濯されていたり)、髪型や状態、体型などです。また装備品の選択(剣を選ぶ戦士と斧を選ぶ戦士の違いなど)をキャラクターの設定に一貫させると、個性を印象づけやすくなります。

シティアドベンチャーや現代ものであれば、住居もキャラクターの表現に使えます。どのような家に住んでいるか、どのような家具を使い、どのような室内装飾を使っているか。部屋は片付いているか、散らかっているか、などです。

また、キャラクターの会話の仕方でも個性が出せます。人種、家庭環境、教育、性別やその場の状況など、色々なバックグラウンドが話の仕方や言葉の選び方に影響を与えます。もちろん、キャラクターの会話を演技することが必要だというつもりはありませんし、バックグラウンドに応じた話し方を迫真の演技で演ずるべきだとも思いませんが、キャラクターとしての発話は、適切に使われれば、個性の表現に有効なツールだと思います。

さて、次のポイントは、複雑な感情を持たせ、それを適切に表現することです。

人間は、大抵内面に何らかの葛藤を抱えています。お互いに矛盾する感情や価値観があり、どちらかを選ばなければならないということは日常的にあることです。このような葛藤を設定し、表現することで、キャラクターはぐっと人間的になります。葛藤することだけではなく、葛藤の結果選んだ選択肢に対してどのように感じるかということを表現することも、とても有効です。

キャラクターは、核となる考え方や信念と、目標を持っている必要があります。それらが話を通じて維持されていくか、それとも変わっていくのかということも、キャラクターの個性化の一つの要素です。変わっていく場合は、セッションの中で起きた出来事に対応する形で、変化させるのが自然です。

フラストレーションはとても強力な感情です。フラストレーションに対してどのように反応するか、またそれをどのように自己統制するかによって、個性が表現できます。また、フラストレーションは大抵別の感情と一緒になっているので、それを表現することで複雑で人間的な感情を演出できます。キャラクターの我慢の限界を超えて、フラストレーションを爆発させるシーンは、物語上中核となるシーンになるでしょう。

最後に、感情の表現の方法についても、工夫が必要です。上でも書きましたが、話し方だけではなく、感情の表現は社会的なバックグラウンドによって変わってくるでしょうし、また文化によっては感情の表現を極力押さえるようなところもあると思います。また、いつ、誰に対して、どのように感情を表現するかというところにも個性が出ます。

キャラクターは本音と建前の違いがあることがあると思いますが、(特にNPCの場合)建前だけ表現すると本音があることが分かりませんので、表情や仕草などで本音があることを表現するのが良さそうです。

最後のポイントは、表現の上での注意です。どんなことでもそうですが、説明的に表現しても、他の参加者にはあまり印象に残らないと思います。また、話の流れを遮って長い説明が入ると、皆退屈してしまいます。キャラクターの会話や、仕草、行動などと会わせて、
簡潔に個性や感情を表現するように気をつけるのが良いと思います。

独自性のあるキャラクターを作ろうと思うと、どうしても奇抜な方向を目指してしまいがちだと思いますが、やりすぎると非現実的になって、逆に人間味がなくなってしまいます。
キャラクターを巡る状況や、それに基づく感情、葛藤、信念、目標などを、もっともらしいけれどもユニークなものにすることで、人間味があるユニークなキャラクターを作ることができると考えます。

また、単純にしすぎないことも重要です。完全なる善、完全なる悪の人間というのはそういません。例えばパラディンのような道徳的なキャラクターでも、欲求との葛藤を表現することで、だいぶ人間味が出てきます。悪のキャラクターでも、悪事を行う理由を作ることで、もっともらしい人物として表現できます。ただ、この場合あまりにつらい過去を作ってしまうと、プレイヤーが感情移入しすぎて敵として見なせないということが生じかねないので、注意が必要です。

また、違う性別や、違う年齢のキャラクターなど、社会的に違うグループのキャラクターを表現する時には、現実感のあるキャラクターを表現するのが難しいので、注意が必要です。

キャラクターに関しては、これくらいでしょうか。これら全てを完全にこなす必要はありませんが、色々な方法があることを意識しておくことはプラスだと思います。キャラクターの個性を表現で
きる要素は、実はかなり色々あることが分かって頂けたと思います。その人物ならばどうするのか、何を選ぶのか、どう感じるのかということを考えて簡潔に表現すること、また、そのキャラクターの価値観、葛藤、フラストレーションなどの内面の深みを準備しておくことで、個性的で実在感のあるキャラクターを表現できると思います。

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